会長挨拶(21年12月)

 師走を迎え、銀座の街に賑わいが戻ってきました。会員のみなさまにはご健勝にお過ごしのことと思います。

 

さてこの一年を振り返りますと、新年早々からコロナ感染者が千人を越え、緊急事態宣言ではじまりました。一方で「あっぱれ」と感動した出来事がありました。大谷翔平選手が投打「二刀流」の活躍でアメリカンリーグ最優秀選手(MVP)に選ばれたことや、将棋の世界で藤井聡太三冠が最年少の19歳3ヶ月で八大タイトルの半分の四冠を達成したことなどが挙げられましょう。「地球温暖化を確実に予測する気候モデルの開発」などで、真鍋淑郎さんが2021年度ノーベル物理学賞を受賞されたことも特筆すべきことと思います。

 

東京王友会では、例年通り6月の総会で加来社長に講演を依頼していまして、また12月の例会では米寿、喜寿を迎えられました皆さまをお祝いする予定でしたが、今年も残念ながら総会も例会も開催できませんでした。

 

「米寿を祝っていただきありがとうございました」

会員の樺澤次子さまが7年前に寄稿していただきました覚書帖32号の書き出しです。過日初めて拝読し心を打たれました。よくぞご自分の記録を書き残してくださいましたと感謝の念でいっぱいです。

樺澤さまは昭和21年2月疎開先から戻り王子製紙に入社、24年の三社分割のときは、尊敬していた主任がいた、中島社長の会社を離れたくなかったとの由、内緒ですがとして心を寄せる男性もいたのでしょう、苫小牧製紙を選択されました。

退職後も茶道を通して後輩の指導に当たられ、結びの文言は「長年の王子製紙への思いと共に感動で胸が震えます」と記されていました。

 

関係者の尽力で、過去の覚書帖および東京王友会事務所に所蔵の書籍一覧を12月からホームページに掲示することになりました。銀座に来られたときに事務所に立ち寄って覚書帖をコピーしていただくことも可です。

去年(こぞ)今年(ことし)貫く棒の如きもの」虚子

お元気に良い年をお迎えいただきたいと思います。