新型コロナ感染症第7波の収束の気配は見えませんが、暑い夏が終わり秋の兆しを感じるようになりました。中秋の名月は旧暦の8月15日ですが、新暦では今年は9月10日だそうです。ご健勝にお過ごしのことと思います。
「これは一人の人間にとっては小さな一歩ですが、人類にとっては偉大な飛躍です」と月面に最初に降り立ったアームストロングの言葉です。
二人のアメリカ人がアポロ11号から月着陸船に移乗し、月面に軟着陸しました。1969年(昭和44年)のことです。月面に最初の一歩を踏み降ろす場面はテレビで全世界に生中継され、2時間15分の船外活動で月物質を採取、翌年の大阪万博ではアメリカ館に「月の石」が展示されました。
あれから50年を経て月面基地の建設、長期的には人類を火星に送る「アルテミス計画」が始動しています。アルテミスとはギリシャ神話に登場する月の女神のことで、この計画はNASA(アメリカ航空宇宙局)と、平和目的に合意した日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)など国際的なパートナーによって実施されています。9月4日に延期されたアルテミス1号が発射されます。
想像がつきませんが、宇宙が生まれたのは138億年前、地球は46億円前、月は45億年前だそうです。月の形成は、採取された月の物質の組成分析から、天体衝突で飛び散った物質が集積してできたとする説が有力のようです。
大宇宙の中では極めて小さな存在の地球ですが、そこに様々な偶然が重なって私たちの生命があります。
近代科学技術の目覚ましい発展で、ライト兄弟の初飛行から僅か70年ほどで人は月に到達しました。一方で科学技術は常に戦争に悪用されてきました。
今日でも領土の争いで核爆弾をちらつかせて戦争をする大国があり、核戦争が拡大したら人類滅亡なんてことにならないか心配です。
「人並みに畳の上の月見かな」 (小林一茶)
秋の夜長に来し方を振り返り、行く末に思いを致してみてはいかがでしょうか。