会長挨拶(23年6月)

   季節は廻り今年も梅雨の季節を迎えますが、この時期には珍しく大型台風が発生して4年振りに開催する6月3日の総会に影響がでないことを祈ります。

ご健勝にお過ごしのことと思います。

 

「わしゃ知らんけんのう」広島県三次市の友人E君と学生時代に初めて会った時に覚えた広島弁です。3つの川が合流する三次市は昭和47年に集中豪雨で町が浸水し、愛知県の春日井から車を走らせて中国山地に入っていくと道路が寸断されていました。今日は岸田首相夫人の実家の近くで製麺業を営んでいるそうです。

 

広島と聞くとE君を思い出します。5月19日から21日まで広島で主要国首脳会議(G’7サミット)が開催されました。岸田首相の案内で原爆資料館を見学、慰霊碑に献花、ロシアの侵攻を受けているウクライナのゼレンスキー大統領の来日が大きく報じられていました。

 

世界の指導者は「核のない世界の実現」が究極の目標、しかし核で威嚇するロシアなどを念頭に「核抑止力を維持すること」の重要性も共通の認識でしょうが、被爆の実相と対峙してもらいましたことがG7広島サミットの意義でしょう。

 

「終末時計」を表紙にした科学学術雑誌が1947年(昭和22年)発行されました。人類滅亡を午前0時になぞらえ、その終わり(人類滅亡)までの残り時間を象徴的に表示しています。

アメリカで原爆開発計画の参加者が原爆という近代文明への新たな脅威に警鐘を鳴らし、核戦争による破局の切迫性を訴えています。1989年から核兵器の脅威のみならず、気候変動による環境破壊なども考慮して針の動きが決定されています。

 最初の設定は1947年0時7分前、毎年一度時刻の修正が行われ、冷戦が終結した1991年に17分前まで戻されました。しかし、その後イラン、北朝鮮の核開発の影響で核戦争の懸念等で分針が進み、今年2023年はロシアの核兵器使用の懸念が高まって1分30秒前、人類最後の日が最も近づいています。

 

 

                                                     東京王友会会長 加村喜久男